行動規範五原則 『対話協働』

ニューロング  

CSR(企業の社会的責任)ネットワーク 

エピソード5

 当社ではCSR行動規範五原則を社内報で特集を組み、2006年3月、工場も含めて全員に配布しております。2008年には、このCSRは国際規格ISO26000になるそうです。企業は社会に対して社会的責任の経営理念と企業人としてどう行動しなければならないかという行動規範を示さなければなりません。それで、この行動規範五原則を原案として、今社内では各部署のレベルで朝礼に取り入れたりして話し合いを続けています。社外のステークホルダーの皆様で、お気付きの点ありましたら、ご指摘下さい。


 今回は行動規範5番目の対話協働のお話です。企業が対話と協働を行う相手はステークホルダーです。ステークホルダーとは、企業に対して利害関係を持つ人と訳されています。英語のSTAKEの語源は、棒の事。ギャンブルの時に、掛け金の代わりに棒を置いて賭けをしたので、転じて賭け事とか賭け金とか言う意味。ステークホルダーでは利害関係を持つ人という意味になります。賭け事とは、何となく、西部劇の酒場で荒くれ男達がやっているポーカーとかのギャンブルを想像してしまいます。単純に言ってしまえば、競争社会はトランプゲームのようなもの。しかし、勝つ為なら八百長でもする?現代社会でそんな事が許される訳がありません。物の売り買いでは、双方が適正な利益を得られるように話し合いをする。これだけでなくて、社会的問題が起きないように、エンドユーザー、社員、地域社会も含めたステークホルダーとの対話と協力関係が必要になります。

 日本では、CSRと言えば法令遵守や環境問題を思い浮かべる人が多いと思いますが、EUでは、このステークホルダーとの対話と協働がメーンテーマです。EUは高度成長期に旧植民地のアフリカ・アラブ地域から移民を労働力として受け入れましたが、現在はその移民の子供達、移民二世の深刻な失業率の高さ(平均値の2倍)が社会問題化しています。暴動事件やテロの温床となる社会不安などです。EUの失業対策も既に限界に来ており、一般企業も移民二世が就業できるように「社会的責任」を果たすように促したのでした。これがCSRの国際規格化の流れとなって、世界的に生産販売活動を行っている日本企業にとっても、見過ごす事の出来ない問題となります。

 EU域内で生産される高い賃金コストの製品だけが国際競争力を失わないように、EU域外企業が生産を行う場合、適正な賃金コストをかけて生産を行っているか、また生産国で安全対策、環境対策、失業対策に対するコスト負担をしているか等をチェックし、適正な生産活動を行わない場合は、その製品を排除するような行動に出る事は必至です。これからは、安い製品だからといって、それだけで購買意欲の対象にはならなくなるのです。そこにステークホルダーとの対話と協働が成り立たないとダメというわけです。

 社員(現地社員も含めて)も企業にとっては重要なステークホルダーです。社員の活動なくしては、事業活動は営めませんし、会社が健全な経営をしないと社員に充分な処遇はできません。また地域住民も地元の行政もステークホルダー。このように企業活動は実に様々なステークホルダーの理解や協力で成り立っています。それを無視するような企業活動があったなら、いくらエンドユーザーに対してコストダウンの為にやったと言っても社会的責任を果たす事の言い訳にはなりません。

 社会問題は複雑になり、政府の限界は明らかです。また規制緩和により、政府の役割が縮小されつつあります。その結果市民社会は政府を通さず企業に直接問題を提起するようになりました。欧米、日本、および東南アジアいずれの地域でも最も難しいのは、法律等明確なルールがないところで、いかにステークホルダーとの対話と協働を実行していくかです。

 それでは、ステークホルダーとの対話と協働は、企業活動を阻害するのか?けっしてそうではありません。弊社の環境保護関連機器のほとんどは、ステークホルダーの対話と協働から生まれた商品です。包装産業と環境ビジネスは相関関係にあります。環境問題で包装容器の改善が必要になれば、印刷機、包装機、加工機械も新規開発が必要になり、ますますステークホルダーとの対話と協働が必要になるわけで、これをビジネスチャンスと捉えて、いっそうの努力をして行きますので、ステークホルダーの皆様、どうか宜しくお願い申し上げます。

監修;みずほ総合研究所 坂入克子主任コンサルタント


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