ニューロング  

ジュロンの出会い(シンガポール肥料ターミナル)
海外便り 2004年4月 メニューへ
第1回 ジュロンの暁 (国際肥料戦略と袋詰め基地)

お客様のニーズをネットワークでつなぎ、世界へ。これが当社永遠のテーマですが、それには、人と人が出会う時がありました。お客様との「出会い」をテーマにした連載記事を今回から掲載させて頂きます。今回は弊社シンガポール現地法人(ニューロング・シンガポール)と三菱商事(株)100%出資現地法人OBT(ORIENTAL BULK TERMINAL PTE LTD)殿のシンガポール肥料ターミナルプロジェクトとの出会いです。

ORIENTAL BULK TERMINAL PTE LTD
1981年6月5日設立、シンガポール・ジュロン港保税地区
三菱商事出資、シンガポールドルで約3億円相当
保税地区内での肥料袋詰め出荷、年間15万トン
計量機、袋口縫いミシン4系列をニューロング・シンガポールから納入。


赤丸の中をクリックすると拡大図が見られます。
赤丸の中をクリックすると拡大図が見られます。

かねてから化学肥料の三国間取引に関心のあった三菱商事化学肥料部は、ヨルダンにおける燐安・カリ両肥料プロジェクトの進展を睨み、三国取引のさらなる展開を検討していた。OBT初代社長・二宮卓也氏(当時、三菱商事)は、1979年韓国ソウル支店より東京に帰任し、三国間取引拡大の海外拠点、バルクパックオペレーション創設の企画担当に指名された。当時、世界の肥料需給情勢は、第2次世界大戦後の世界的な人口増加による食料増産の要請で、化学肥料の需要が着実に増大していた。同時にオイルショックを経た後の世界には、各地、特に中近東で、大型化学肥料生産設備の建設が見られる様になっていた。

一方ニューロング・シンガポールは1976年にニューロング(株)の100%現地法人として設立され、木下代表(現本社副社長)を中心に東南アジア地域の拠点となっていた。やはり、肥料の国際需要増大を自社の袋詰め包装設備販売のチャンスと考えていた。

日本では、空気中の窒素、肥料生産に不可欠な硫酸の原料になる火山の硫黄、若干の微量要素を除いては、化学肥料の原料となる天然資源は存在しない。日本は肥料の輸出国と一般的に思われていたが、それは肥料の三要素のうち窒素肥料(原料は石油、即ち、石油から分離される水素で空気中の窒素分を固定する)についてのみで、リン酸肥料、カリウム肥料については輸入に頼るしかない。一方、国際市場をみると、各種肥料を国際的に流通させる業者が数多くいた。肥料商として世界に伍する為には、日本の市場だけを相手にしていては、将来性はない。当時、ニューロング・シンガポールの木下代表も包装設備売り込みの為、大型尿素生産設備を抱えるインドネシアはじめ、東南アジア各国に盛んに接触を行っていた。

そんな時、シンガポールのジュロン地区にバルク専用の港が出来たとの情報が入った。肥料をバルクでシンガポールに持って来て、保税地区内で袋詰めし、保管。それを再輸出する事ができる設備があるというのだ。ドイツ、アメリカ、更には日本企業一社がすでに先行していた。SEAFCO、IMC、MTC(三井尿素肥料ターミナル)がそれだった。

しかし、その当時、三菱商事はこの計画には慎重だった。肥料はもともと利益の薄い商品。それをバルクで輸入して、袋詰めするとコストがかかる。しかし、肥料取引は逐年増加し、肥料ターミナル設立の気運が盛り上がってきた。

当時、三菱商事ではヨルダンのリン鉱石を扱うようになっていたが、さらにヨルダンではリン鉱石を原料に燐安肥料の生産に進出しようとの動きがあった。またヨルダンとイスラエルにまたがる死海の湖水は塩分濃度が高く、良質のカリウムや肥料微量要素のマグネシウム、カルシウム等も豊富に含まれている。要するに死海の湖水を天日で乾燥させ、不純物を分離させる技術があるのだ。このヨルダンの燐安肥料とカリ肥料の商権獲得が三菱商事のシンガポール、ジュロンターミナル進出のきっかけを与える事になった。

燐安肥料や死海の湖水を使うカリウム肥料は比較的単価が高く、需要側から小分けして出荷する事を要求されることも多く、相対的にコスト負担力が出てくる。これなら商売として充分成り立つ可能性があった。そこで燐安肥料とカリウム肥料をベースに袋詰め包装ターミナルが実現する運びとなった。もっとも、プロジェクト立ち上げ後は、現実には流通量の多い尿素の取り扱いが中心となった。

1980年夏、三菱商事はジュロン土地公社とバルク倉庫建設用地の正式契約を行った。三菱商事の資金援助は充分なものの、現地金融機関から融資を受ける方が後々有利という観点から、DBS(DEVELOPMENT BANK OF SINGAPORE)の融資を受ける事となった。DBSは非常に協力的だった。融資額はシンガポールドルで約6億円相当だった。倉庫建設の施工は三菱商事開発建設部と清水建設が請け負った。

シンガポール・ジュロン保税地区は税関が警備をつけているので、安全に関するコストを負担しなくとも良い。いろいろな候補地はあったが、結局はここに落ち着いた。それにシンガポールで設立するメリットは外国籍企業が100%出資を認められる点で、多くの外国籍企業が進出する動機になっている。

包装設備は日頃から交流のあったニューロング・シンガポールの計量機・袋口縫いミシン4系列を設置した。OBTは機械メンテナンスという点を考慮し、やはり現地ニューロング木下代表(本社副社長)以下の小回りのきくサービスの良さと機械性能の確かさを考慮して採用。問題なく稼動し続けた。殊にニューロングのこの包装設備は、一体として移動が可能で、OBTに包装の仕事がない時は、ターミナル内で賃貸しする事も出来る点もOBTは評価した。倉庫建物、包装設備がそろうと、後は作業員が必要。ニューロング・シンガポールの木下代表(本社副社長)と、かねてから親しい取引関係のあった現地の荷役包装契約業者、CHUA CHUAN LEONG CONTRACTORS (PTE) LTD蔡泉隆承包装商(私人)有限公司を紹介され、OBTもこの会社の起用に踏み切ることとなった。

ニューロングは現地にしっかりと根をおろした企業であり、客先ニーズには何でも応えられる情報と技術を持っている。また包装業界、製袋業界の業界人と交流があり、ターミナルを動かす全てを知り尽くしていた。上記包装契約業者のオーナーMR.CHUA KIM CHENGと同社MANAGING DIRECTOR, MR.LOH CHIN CHERも荷役業界、製袋業界、そしてトラック運送業界に交流があり、そこからいろいろな情報が入った。



NEWLONGニューロング株式会社
110-0015 東京都台東区東上野6-4-14 pbr@newlong.com
営業部Tel:03-3843-7311 広報Tel:03-3843-7314 総務部Tel:03-3843-7313