ニューロング  

第8話
海外便り 2004年2月 メニューへ
 「アンネ・フランクに癒されて」 ユダヤ商人気質

 ユダヤ人は優秀だ。紀元1世紀にメシア(救世主イエスキリスト)を世に出し、20世紀前半にはメディア(アメリカの映画、マスコミ業界経営者のほとんどがユダヤ系)をつくり、世界中の情報操作を行った。このメシアからメディアまでの歴史上、彼らは国を持たず、軍隊を持たず、囚われの身でありながら、彼ら上に君臨する民族国家のなかに、ユダヤ的宗教国家、金融国家、情報国家、そして21世紀のアメリカでは産軍共同国家を作り上げてきた。紀元後の世界史はユダヤ商人によって作られてきたと言っても言いすぎではない。

 ユダヤ人はキリスト教をユダヤ教の一宗派と考える。歴史家トインビー流に言えば、宗教国家はいつも民族国家の外にあって、民族国家に影響を与えた。宗教国家の挑戦である。イエスキリストは、ユダヤ人の方から見れば、まぎれもなくユダヤ人ラビ(牧師のようなもの)であり、ユダヤ教キリスト派は、千年かけて遠征軍(十字軍)を組織して、更に千年かけて富と情報を支配したということになる。欧米のキリスト教徒も我々日本人のような多神教徒もその事実(?)に気がついていない。唯一、同じ土地の出身であるイスラム教徒は、早くからこの真実(?)に真っ向から応戦(トインビー流解釈)する。だから彼らは、同胞(ユダヤ人もアラブ人も同じ血、同じ教えを信ずる民、違うのは、教えの解釈だけ)同士戦う宿命にある。そう考えれば、9.11の流れも理解できよう。

 さて、前置きが長くなりすぎたので、本題のユダヤ商人気質に話しを戻す。ユダヤ商人は成長株に投資する。この法則は次のように実証されてきた。欧州市場では、まだ無名の商品を日本企業が販売し始めたとする。どのディーラーも無名な商品など扱ってくれなかった。ところが、販売しても良いというディーラーが現れた。性能の良さと価格の安さ。瞬く間にその商品は市場を席巻する。しかしディーラー達の活躍も忘れてはならない。地元の商品と戦っても、彼らは決して諦めたり、苦情を言ったりはしなかった。彼らは優秀で、各国にネットワークを持っており、何より情報をすばやくキャッチして、それを利用するのに長けていた。無名だった商品は、やがてブランド品となる。そして、その時はじめて、彼らがユダヤ系商人だと知る。日本ブランド商品の大体はこのように欧州市場で受け入れていったのではないだろうか?

 
アンネ・フランク

 ユダヤ商人は妬まれる。彼らの成功は、その土地に代々平穏に暮らす民にとって脅威であり嫉妬の的になる。そして、彼らは優秀なあまり、図らずも周囲の人間を傷つけてしまう。根っからの議論づきの性格から、相手の逃げ道をすべて塞いで論破してしまう。議論から覚めた時、友人や、ビジネスパートナーや、恋人さえも失った事に気付いて呆然する彼らの表情は同情せざるを得ない。そういう性(さが)から希薄な日本人の性格では、とうてい理解できない。それがヨーロッパの日常生活なのだ。日本人は議論そのものを好まないし、論破されても平気でいられる事が多い。勝ち負けの基準が違うのだ。

 しかし、時々、彼らのそういう部分にも辟易としてしまう。そんな時、自然に足が向いてしまうのが、アムステルダムにあるアンネ・フランクの家(今は博物館になっている)だった。このユダヤ人少女の物語はあまりにも悲しい。普段、ユダヤ人はイエスキリストが掛けた保険(博愛の精神)に守られている。しかし、キリスト教的宗教国家と民族国家のバランスが崩れる時、悲劇は訪れる。ホロコーストの歴史は、不安定な時代に繰り返しおきてきた。ふだん質素に暮らすユダヤ商人の蓄財は、この悲劇に対処する保険だと言われている。

 さて、アンネの日記を読んでいると、贅沢はとても出来ないという気になってくる。今は昔、バブル経済真っ只中の頃、アンネの日記になぜか癒されていた。





NEWLONGニューロング株式会社
110-0015 東京都台東区東上野6-4-14 pbr@newlong.com
営業部Tel:03-3843-7311 広報Tel:03-3843-7314 総務部Tel:03-3843-7313