海外便り 2003年9月 メニューへ |
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| 「ノッチングハムの変人」 イギリス商習慣事情 | |
| ノッチンガムは、ロビンフットの伝説とか、詩人バイロンの城とか、清教徒革命内乱時の古戦場とかの逸話が多く、ロマンに満ちた都市。雑多なロンドンに比べ、いかにもイギリスらしい田園の中にあり、昔ながらの運河もある。しかし、ここで育まれた商習慣はまさにジョンブル(紳士)的であろうと思うとそうでもない。
イギリスの商法は、習慣法に基づいて運用される。言い換えれば、習慣法はガイドラインで、個々の「契約」の集合体であって、最終的には、個人ベースと自己責任という事になってしまう。信頼のおける人間は、「約束」を守るが、ルーズな人間はいつまででもルーズなままである。
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さて、話をノッチンガムに戻そう。ロビンフットにしても、バイロンにしても、ともに奇人変人として有名。ロビンフットの「森に住む」という発想もユニークなら、バイロンに至っては、詩の世界と現実の世界が頭の中で交錯して、ギリシャ独立に私財を投げ打ってしまうという途方もないスケールの持ち主。そんな、破天荒な人物をイギリス人はこよなく愛す。彼らには、変人の血が流れている。我々世代は、イギリスは紳士の国と英語で教えられたが、そんなのは、イギリス人が都合の良いように外国人を感化して来た事で、現地に着いたら嘘っぱちだったことが分かる。彼らは、英語で世界を教育した時に、自分たちの変人の血を虚構の世界で覆い隠しているだけなのかもしれない。変人が悪いと言うつもりはない。それどころか、変人でなければ、改革はできないとまで思っている。しかし、変人ばかりだと、世の中潤滑に回っていかないから、彼らは「イギリス人は紳士」という虚構を作り出し、その虚構を世界にPRしただけなのかもしれない。そう思えばすべてのつじつまも合ってくる。イギリスには、慣習法しかない。法律が万人に対する唯一無二のルールだとすると、変人ばかりのこの国では通用しないからだ。慣習法なら、ずれた人間同士が、歩みよった結果が書いてあるだけなので、また別なずれた人間どうしにトラブルが起きたとき、そのズレの補正に役立つ。 今のイギリス(日本も同じ)、世の中全員がずれている。どうせこれだけ、ずれてしまったのなら、いっそのこと自分たちは「変人」だと叫びたい。そうすることで、つぎのルールやシステムを作っていけそうな気がする。 ノッチンガムはそんな事を気付かせてくれた所だった。 |
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